女性の身体と生理

女性の身体

女性の身体は、妊娠・出産という役割を担うため、特有の仕組みによってコントロールされています。

・卵巣は卵子を育て排卵を担う器官であり、また、卵胞ホルモン(エストロゲン)や黄体ホルモン(プロゲステロン)といった女性ホルモンを作ります。
・子宮の最も内側をおおっている子宮内膜は、女性ホルモンの働きで妊娠にそなえて周期的に変化します。

生理とは

子宮内膜がはがれ落ち、血液と一緒に体外に排出されるのが生理(月経)です。
約28日間ごとに子宮から出血する周期を繰り返します。これを、生理周期といいます。

女性の生理周期

①卵胞期
卵胞は卵子の発育とともに大きくなり、卵胞ホルモン(エストロゲン)という女性ホルモンを分泌します。このエストロゲンが新しい子宮内膜を厚く成長させていきます。
②排卵
卵子が成熟し、卵胞が十分に大きくなると、卵胞から卵子が腹腔内へ飛び出します。
③黄体期
排卵した後の卵胞は黄体へと変化し、黄体ホルモン(プロゲステロン)という女性ホルモンを分泌します。プロゲステロンにより子宮内膜は受精卵が着床しやすい状態になります。
④生理(月経)
妊娠しなければ黄体はプロゲステロンを分泌しなくなり、子宮内膜も出血を伴ってはがれ落ちます。これが生理です。

標準的な生理の目安

生理の周期、期間、経血量(出血量)には個人差があり、毎月の変化もあります。また、心身へのストレスなどにより、ホルモンバランスがくずれ変化があらわれることもあります。しかし、標準範囲から極端に外れている場合は、病気が潜んでいるかもしれません。不安なことがあれば婦人科を受診してみましょう。

標準的な生理 婦人科受診が必要な状態
周期 25~38日
(毎回の変動が6日以内)

・生理周期がとても短く、頻繁に出血する

・毎回の生理周期が40日以上

・たまにしか生理がこない、3ヵ月以上生理がない

期間 3~7日以内
(平均5日)

・1〜3日と短い

・8日以上の出血が続く

出血量 20~140 mL
(ナプキンの交換が2~3時間ですむ程度)

・極端に出血が少ない

・日中に夜用ナプキンが必要な日数が3日以上

・タンポンとナプキンの併用が不可欠

・以前と比べて出血量がとても増えてきた

・500円硬貨より大きなレバー状の血液の塊(かたまり)が出る

生理痛 なし~軽度
(軽い腹痛や腰痛、 頭が重い感じ など)

・痛みで起きていられない

・痛みや吐き気で学校や仕事を休まなくてはならない

生理周期:生理が始まった日から次の生理が始まる前日までの日数

公益社団法人日本産婦人科医会:学校医と養護教諭のための思春期婦人科相談マニュアルを参考に作表

生理痛のメカニズム

生理痛は、はがれ落ちた子宮内膜を血液と一緒に体外に押し出そうとして、子宮が収縮することで生じます。
子宮内膜から分泌されるプロスタグランジンという物質は、子宮を収縮させる働きをもつため、過剰に分泌されると収縮力が強まって生理痛が強くなります。

監修:
聖順会 ジュノ・ヴェスタ クリニック八田
理事長・院長 八田 真理子先生